- 3. column

1972年の冬、卒業制作として仕上げた設計図です。
まず自然に恵まれた長野県戸隠あたりの地形を調べ、そこに仮想的に広大な森林公園を造り、その中に自分の理想とする野外音楽堂を建ててみました。
ホール・ステージの前をゆっくりと流れる川。このコンセプトが重要であり、観客は静かな流れを演出する川越しに音楽を楽しむのです。
僕は以前からこんなコンサート・ホールを思い描いていました。

公園入り口には当然ですが管理事務所や駐車場を設け、入園すると敷地の中にはお洒落なレストランもあります。公園の中を森林の緑や野鳥の声を楽しみながらコンサート会場へ向かうというアプローチも大切なことです。客席は全席指定でも対応できる形をとりましたが、ロック系のコンサートなどの時には自由に楽しめるスペースとして、ターフのコーナーを広めに開放しました。時代的にもウッドストックがヒントでした。

小劇場が隣接しているのは、小規模な音楽会でも利用できるように用意した空間で、気軽に使える多目的スペースと言う感じです。

僕はこの頃からすでに音楽をかじっていたので、ミュージシャンの立場、オーディエンスの気持ちから設計することが出来ました。
楽しみながら、卒業制作ができるなんて、とても幸せなことでした。
おまけに教授からお褒めの言葉もいただきました。
「こんな音楽堂で好きな音楽を聴いてみたいな」ですって。
出席日数が危ぶまれていたのですが、これでなんとか卒業できたわけです。そして、音楽も建築も心で描くもんだなと思いました。
構造計算は別ものですが(笑)

Galleryページをご覧ください。

「ラジオ塾」

僕の30年来の友人である建築家の渡部隆氏が『ラジオ塾』を開講した。
先日、第一回目のコーチとして招かれ、若者たちと「建築と音楽」について話をした。そこは、集う人の出会いの場であり、遊びの場であり、学びの場であった。何かを得て世の中に出ていく"若者たち"のプラットホームの様な『ラジオ塾』に共感した。ときには時間を忘れ、見切り発車して目的地のない旅に出るのもいいかもしれない。
突然の病により光を失った彼は逆境をものともせず言葉だけの世界へと見事に思考をシフトチェンジした。これから会をかさねるごとに、そのフォーマットは形成されていくだろう。今の感性を大切にさらなる発展を期待している。

渡部隆(シアムメディア研究所)
http://ceam.blog80.fc2.com/blog-date-20061024.html

画家バルティスの言葉だ。
スイスの山荘に住む彼は何を想うや。
幾何学的に自問しつづけ、螺旋を描く腕を休めようとしなかった。

僕はルネ・シャールの詩を思い出した。
いちど飛び立った雨燕は羽ばたくことを決してやめない。
それは死ぬまで飛び続けるマルチネ。

八月の窓ガラスには、六月の雨粒が貼りついている。
放りだしてドアを閉めた。
安穏とした生ぬるい夜を、亀の歩幅でそぞろ歩き。
街頭に照らし出された滑稽なシルエットは、坂道を下る。

春の芽吹きは心の息吹きであったように、夏の風は命を浮遊させる。
続けなければ、、、今宵も自分を。

「水辺の石」

ひとつのバンドが、、、30年目を迎えた。
誰の仕業でもない、思わぬ贈り物だ。
続けようとは思わなかった。
好き勝手に生きてきた証しだ。
何も考えず、誰の声も聞かずに。

ひとつのバンドが、、、不思議だな。
出会いはBYGだった。または渋谷のライブハウス、ジャンジャン。
音楽に魅せられここまで来た、とか。友を慕ってここまで来た、とか。
格好つけても、もう遅い。
30周年という一幕は、あっさり第二幕へと転換していくだろう。

酔いどれ楽団はまた太鼓にあわせて歌い出す。
かつて幼い頃、水辺に石を投げいれ、沈まぬままに向こう岸にたどり着いた時、
僕らは夢を見始めた。
焚き火を囲んで、好きな場所に座って、好きなことを言い始めた。
誰の仕業でもない、思わぬ贈り物だ。

僕がドラムを始めた頃、ロック・ドラムに視点を置いた教則本などは殆ど無かった。いや全部が時代的にもジャズ・ドラムについてのものだった。それでも一応ドラムのパーツの名称やセッティング等はわかったのだが、どうしてもスティックのストローク感や、練習曲がピンとこなかった。そこで、どうしたかというと、レコードでいろんなロック・ドラマーのプレイを何度も聴いて、ビート感やフィルの入れ方をコピーした。チューニングも全く自己流で、重いドラムサウンドをだす為にタムやスネアにタオルをかぶせたり、ガムテープを貼ったりしていた。タムやスネアにはミュート機構というものが付いている事も知らずにね。
そんな経験をした僕は、ロック・ドラムの教則本について、以前から強い関心を持っていた。1985年、ドラム教則本「ロックドラム入門ゼミ」の監修を始め、その後、1997年より「ロックドラムが叩けちゃった」の編著も手がけた。どちらも8ビートを基本にしたビギナー用の教則本で、ドラムセットの名称やセッティング、チューニングの仕方、ストロークの練習方法や楽典などについて詳しく説明している。ロック少年少女が途方に暮れないようにね。応用曲は毎回バンド系の曲を幅広く取り入れているが、今回はムーンライダーズの曲も新しくリズム・アレンジして掲載している。嬉しいことに改訂も今回で7回目を迎え、今や隠れたロング・セラーの様だ。ドラムに興味のある方、これからドラムを始めてみたい方、是非参考にしてほしい。
最後に「ロックドラムが叩けちゃった」のコラムから一言。「今や、ロック・ドラムの教則本は何冊もあるし、ドラム教室もたくさんある。しかし、それがラッキーだと思わないでほしい。教えこまれたものだけで、君の音楽が生まれるとは思えない。自分の力で、自分の耳とセンスで音楽を作り上げていってほしい。ロックには、規則の無い自由があるのだから。」

「青空」

この青空をどうしたら僕らのものに出来るだろう。
踊るひらめきは風に舞い、雪の夜に閉ざされて夢を紡ぐ。

遠い冬の青空に胸が吸い込まれる。
弱々しい日射しの中、優しく触れあって長い影を踏みしめたい。

あふれる情熱は季節と競った月日を想う。
春まで待てずに、子供たちは冬に咲く。

迷宮の扉を開けるキミ、永遠の鍵を手にするボク。
まびしい光を浴びるため、もっと森深く突き進む。
この青空を僕らのものにするために。

今年もどうぞ宜しくお願い致します。
2006年、ムーンライダーズは結成30周年を迎えました。
記念アルバムやライブ等、たくさん予定しています。
もちろん、ソロ・アルバムの制作にも着手するつもりです。

皆様のご健康を心よりお祈りいたします。
今年も良い年でありますように!

「時は過ぎても」

「スティル・クレイジー」という映画を観た。
70年代のロックバンド「ストレンジ・フルーツ」が20年後に再結成するという話だ。栄光とは無縁な50歳代のミュージシャンたちの半生がリアルに描かれていて、実に馬鹿馬鹿しくもパワフルでストレートな映画に仕上がっている。どこのバンドでもありそうなメンバー内の確執やライブハウスの楽屋でのイカレた会話などが随所に出てきて、思わずニヤリとしてしまった。サントラ盤にはE.L.O.のジェフ・リンが参加している。
我がバンド「ムーンライダーズ」はもっと複雑な構造を持ちあわせているが、唯一の共通性を見つけるとすれば「時は過ぎても炎は消えず」ということだろうか。

「Renaissance」

Soundsページ「Renaissance」の音楽を新アレンジで録音し直しました。どうぞ、ご試聴ください。
作曲は2005年、未発表のものです。画像は1967年のイラストをモチーフに創ってみました。これからも音楽と映像のオリジナル・バンドを紹介していく予定です。

「雫という未完の歌」

2002年の12月6 日、四谷にある「風雅の舎」にて、中村裕介さん、丸尾めぐみさんと「One Step Sessions」と銘打ったライブを開催した。僕はセッションをイメージして、ステージ上で曲作りを披露するというなんとも実験的なライブを思いついた。気心知れたメンバーであるからこそ発想できた企画だ。事前に詩を用意しておき、三人が感じるがままにメロディやコードをつけて一つの楽曲に仕上げていく、その行程の面白さを演出してみた。あれやこれや雑談を交え、時にコード進行やリズム・パターンのクセなどを指摘しあったり、「さすが、ブルースだねー」とか「なんで、そうなるかな」「もっとクラシカルに」「それって、突然すぎない?」とか言い合って。

オーディエンスを巻き込んでの調和に満たされた貴重なひとときだった。楽曲としては時間切れのため中途で終わったが、あの時の詩は今も気になっている。最近、ふと思い出して少し手を加えてみた。

メロディや詩をいくら手直ししても未だに完成しないのは、再び三人の手によって仕上がることをこの曲が望んでいるからだろう。

「雫」

うまい米が喰べたい
おいしいパンをかじりたい
飯におかずはいらないさ
パンにバターをぬらないで

身体にいいもの 口にして
頭にいいものを選びたい
耳にいい音 響かせて
心にいいもの守りたい

それにはどうすればいい
それにはどうすればいい

雫がつむじの上に落ちてくる
なんという寒い朝 
夢が見れないじゃないか

山にいいもの 植えつけて
街にいいものを運びたい
空にいい風 吹きつけて
子供にいいもの残したい

それにはこうすればいい
それにはこうすればいい

雫がつむじの上で飛び跳ねる
なんという軽い足
夢がこぼれるじゃないか

なんて素晴らしい人生よ。
笑い飛ばそう、この裏町で。

自画像を描こうとしない私たちは、荒涼とした資料館の庭をさまよい歩く。
調和を忘れた狂気のタクトは、悲愴を演じる独裁者のように空をきる。
読書をしない子供たちは校庭で本を燃やし、大人たちの身勝手さを学んだつもりになって作り話をはじめる。

なんて無邪気な人生よ。
笑い飛ばそう、この裏町で。

それは、ある晴れた日にやって来る。
答えのない世界はバランスを崩し、人々は舗道でぶつかりあう。
皮肉たっぷりのハンバーガー記者は、混乱した朝刊に眼をそむける。
鏡を見なくなった彼女たちの冷凍庫は空っぽになり、何も作れなくなる。

裏切りの馬と化した「夢まぼろし」たちは、何処に行こうとしているのだろう。
未来はすでに手先の器用な魔術師に任せてあるのに。

なんて滑稽な人生よ。
これは純粋なエッセンスだ。

「夢の人」

時刻はすでに深い眠りの中。
突如、巨大な本がフワフワと額の上に舞い降りてきた。
それは重たすぎる銀色の書物。
無数に書かれた文字を繋げる言葉の群れ。
何年かかっても考えつかないフレーズの羅列。イメージの宝庫。
この本さえあれば、そこそこの作家になれる。
いくつもの物語を生み出すことが出来るだろう。

すぐさま飛び起きて机に向かおうとしたが、身体が動かない。
またしても、夢のしわざだ。
この閃きはペン先にも届かない。何も記せないマーブル柄の夜。
目を覚ませば、忽ち思索の海も干上がっていくだろう。

夢はいつもおぼろげな映像で、狂気に満ちたあやふやな旋律。
すっかり汗ばんだ夢たちよ、もう夜明けの空だ。
私は追いかけない。ゆっくり寝返りを打って、アクビをする。

ムーンライダーズ「Postwar Babies Tour」は、おかげさまで大盛況のうちに終了致しました。皆様、ありがとうございます!また、今回のツアーに参加できなかった事を深くお詫び申し上げます。

「 MUSIC ON TV・EARTHDAY LOVE & MUSIC DAY」のリハーサル中に身体に異変を感じた為、その旨を舞台監督に告げすぐに帰宅しました。これまでは少々体調が悪くても演奏が始まると不思議と治ってしまうものでしたが、今回はそうもいかなかったのです。新アルバムのプロモーションやPV撮影、ツアーなどがすでに予定されていた状況下での不祥な出来事。その後、しばらく不安とジレンマに悩まされる日々が続きました。

結局ツアーを諦め療養に専念することになりましたが、今後のことを考えるとそれが最善策であったと思います。全国の皆様からの温かなご支援を頂き、順調に回復に向かっています。もう大丈夫!どうぞご安心ください。またライブなどでお会いしましょう。

「2月のライブ」

今年はすでに名古屋「得三」、京都「磔磔」と2本のライブに出演した。
オフ・ノートのミュージシャン達による大編成のステージ、その迫力あるサウンドはやみつきになりそうだ。

さて、2月5日(土)には久々に東京でのソロ・ライブが控えている。
渋谷のツインズ・ヨシハシが今年からリニューアルし、ピアノもグランドになったらしい。今回、1997年以来ステージ活動を休止していた「トウキョウ・ローズ」が再編成することになった。キーボード、ピアノ、パーカッション等は板倉賢林氏、ヴォーカル、コーラスは上田美由紀さん、私はヴォーカル、ギターとピアノ等を担当する。このユニットはこれまで主にレコーディング等で活躍してきたが、今年はステージも。
また、ヴァイオリン、アコーディオン、ピアニカ等でHONZIさんが1月のライブにひき続き参加してくれることになった。充実したサウンドが期待できる。
今回、ライブの企画として「屋根裏の二匹のねずみ」「ダイアローグ」「FIN」といった私のデュエット三部作をメドレー風に演奏することを考えている。きっとライブ全体が、マドリガル「恋の歌」ベストセレクションといった趣きになると思う。

そして、2月12日(土)には宮城県鳴子町「宿みやま」でライブを。人里離れた温泉宿が舞台だ。泉質抜群の湯につかり、まろやかな地酒と細やかな手料理に舌づつみを打つ雪の夜。そんなロケーションにふさわしいライブとは、、。とても楽しみだ。bpmは少しユッタリ目に。板倉賢林氏がキーボードで参加してくれます。

「Bonne annee!」

新年あけましておめでとうございます!
願いは良い年であってほしいこと。このかけがえのない大地をもう一度よく眺めて、毛布でくるんで傷の手当て、空の修理。ニューイヤー・コンサートで「ラデツキー行進曲」が演奏されなかったのは、そんな気持ちが込められていたからだろう。

昨年の我が家ときたら、世間も大忙しの年の瀬に無謀にもプチ・リフォームを敢行。壁紙の張り替えやバスタブ交換など、大騒ぎ。やっと片付いた次ぎの夜、一息つく為に何か音楽でもと思ったのだが聴きたいものがない。音源の詰まった部屋に入ってみるも、やっぱりどれも気が進まずで、結局そんな時にはビートルズしかないようだ。アナログ盤をひっぱり出し、リバプールからロンドンへと思い馳せる。プロコル・ハルムからストーンズ、スプーンフル、そしてザ・バンドなど、ダイヤモンド針を滑らせているうちに気分がのってきた。更にサントラ盤も聴きまくり、大晦日の突然の降りやまない雪の様に、それはとても一夜では終わらなかった。で、そのまま新年に突入。慌ただしくも、音楽三昧の年越しだった。光り眩しい元旦の朝、めでたく幸せな眠りに。時におせちと酒を喰らい、時に夢を育んで。

昨年はライブ活動が少なかったけど今年はたっぷり演るつもり。1月に名古屋と京都。2月には東京と宮城で。春頃にはムーンライダーズも。その他、企画しているアルバムもいくつか。
今年も宜しくお願いします!