「水辺の石」

ひとつのバンドが、、、30年目を迎えた。
誰の仕業でもない、思わぬ贈り物だ。
続けようとは思わなかった。
好き勝手に生きてきた証しだ。
何も考えず、誰の声も聞かずに。

ひとつのバンドが、、、不思議だな。
出会いはBYGだった。または渋谷のライブハウス、ジャンジャン。
音楽に魅せられここまで来た、とか。友を慕ってここまで来た、とか。
格好つけても、もう遅い。
30周年という一幕は、あっさり第二幕へと転換していくだろう。

酔いどれ楽団はまた太鼓にあわせて歌い出す。
かつて幼い頃、水辺に石を投げいれ、沈まぬままに向こう岸にたどり着いた時、
僕らは夢を見始めた。
焚き火を囲んで、好きな場所に座って、好きなことを言い始めた。
誰の仕業でもない、思わぬ贈り物だ。